加齢とともにアルコール依存症になりやすくなる原因
アルコールの摂取量が増えるにしたがって、関連するトラブルが起きやすくなります。そのもっとも重度な症状に該当するのが「アルコール依存症」です。他のなによりも飲酒を優先させてしまう状態のことで、アルコールに対する自制がきかなくなります。
高齢アルコール依存症問題
アルコール依存症は、年齢を問わず幅広い世代にみられる症状ですが、近年では高齢者がアルコール依存症になる「高齢アルコール依存」と呼ばれる問題が注目されはじめました。
高齢者の患者数はここ数年で急増し、その背景には団塊世代の大量退職、または高齢化社会が大きく関係しています。
「定年退職後に打ち込めるものがない」「配偶者との死別で寂しさを感じる」などの理由で依存症になってしまう人が多いようです。
また、社会問題にもなっている高齢者の一人暮らしは、多量のアルコール摂取に関して注意する人が周囲にいないということも影響しているといいます。
アルコール依存が深刻になる理由
若い世代と比べると、高齢者のアルコール依存は深刻化する傾向にあります。これは、高齢になると血中アルコール濃度が高くなるからです。
成人の体を占める水分量は約65%、高齢者は50~55%になります。歳を経るにつれて身体の構成から水分の比率が減り、若い人と同じ飲酒量でもアルコールの血中濃度が高くなるので、アルコール依存になりやすいのです。
依存症が悪化すると、高血圧や手の震え、睡眠障害、幻聴などさまざまな症状を引き起こすので、心身の機能低下が進みやすい高齢者は特に要注意です。
認知症のリスクもあるため早めの予防が大切
アルコール依存症は、先述した症状以外にも認知症のリスクを増大させるという側面もあります。アルコールにより脳が委縮してしまい、認知機能の低下を引き起こすおそれがあるからです。
飲酒は、適量であれば、ストレスを解消の一助となる上、コミュニケーションの手段にもなります。
しかし、多量の摂取は推奨されることではありません。普段から摂取量に配慮し、適度に楽しめるようコントロールできるようにしておきましょう。
年末年始で忘新年会シーズンなので、みなさんの飲みすぎには十分注意してくださいね!